年々増加傾向にある、日本国内における食品ロスの排出量。農林水産省によると、2019年度の国内の食品ロス排出量は 570万トンだそう。
そのなかに占める、家庭からの排出量は半数近く。
食品ロスときくと、食品に関連する企業が圧倒的に多いというイメージがあるかもしれません。
しかし、家庭(個人)からも多くの食品ロスが排出されているのが現実。そのため、「食品ロスを減らそう」というフレーズを近年多く耳にします。
それでも、
「食品ロス減らすために動くのは面倒」
「食品ロス減らすことで、私たちになんのメリットがあるの?」
と感じる方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、私が実践した取り組みのなかから、かんたんにできるものを選んでご紹介。
あわせて、家庭で食品ロスを減らすことで得られた良い点についても記します。
こんな方におすすめ
- 食品ロスを減らそうと考えている。個人でできる手軽にできる取り組みが知りたい。
- 家庭で食品ロスを減らすことで、個人にとって何か良いことがあるのか疑問。
本記事を作成している私は、大学時代に食品ロスについて学んだことをきっかけに、自宅で食品ロスを減らす取り組みを開始。現在も実践しています。
個人で食品ロスを減らすための5つの取り組み
個人単位でかんたんに実践できる、食品ロス削減のための取り組み5つは、以下の通りです。
- 空腹時にスーパーに行かない
- スーパーでの買い物は、必要分のみ
- 1つの食材を複数の料理に使用する
- 食材を冷凍する
- ローリングストック法の活用
これらを意識して生活するだけでも、だいぶ家庭内の食品ロスを減らすことができるはずです。
それでは、1つずつみていきましょう。
①空腹時にスーパーに行かない
これは個人的に最も効果的でした。
空腹時にスーパーに行くと、ついつい買ってしまう商品が増えがち。
その場では「食べたい」と感じていた商品も、
- 実は必要なかった
- 使う予定がない
- 食べる気にならない
といったパターンに陥ります。
そうなると、いつの間にか日にちが経ち、廃棄してしまうという流れが生じます。
私は以前、退勤して帰宅途中にスーパーに行くことが多かったです。ヘロヘロで空腹だったので、その時の気分で焼き芋や甘いものを買っていました。
帰宅後、甘いものをすぐに食べたりしてお腹が満たされ、調理する予定だった食材を使用せずにその日を終えることも。
こうして、食材を使い切れずに放置してしまうことがありました。
「毎回空腹時にスーパーに行かない」というのは難しいかもしれません。なので、できるときに実践してみてください。
また、「空腹時にスーパーに行くと、食費が増える」ということが、アメリカのミネソタ大学の研究で明らかになりました。
食費が増える=買う商品数の増加と、捉えることができます。
②スーパーでの買い物は、必要分のみ
こちらも上記同様、ムダ買いを避けることができるからです。
絶対に必要な分だけを購入する意識を持ちましょう。例えば、週2回スーパーに行くのであれば、一度の買い物で必要な食材は3〜4日分となります。
「いつか食べるだろう」とカゴに入れても、結局食べなかったり、「そもそも冷蔵庫に入れておいたのを忘れてた」みたいなことが起こる可能性大。
そのため、必要な分かつ、自分が把握できる量を購入するのがベスト。
スーパーで買い物をする前に
- 何日分かのレシピを決めておく
- そのレシピに必要なものをメモする
といったことが大切です。これだけで、ムダ買いは減るはず。
③1つの食材を複数の料理に使用する
こうすることで、中途半端に食材が残るのを防ぐことができます。
主に、残りがちな野菜を使用するときに心がけたいところ。
その日のうちに複数の料理に使用するもよし、日をまたいでもよしです。例えば私は、
- もやしを炒めものと味噌汁に
- キャベツやきのこを炒めものと鍋に
というようにして、使い切っています。
特に1人暮らしの場合は、冷蔵庫の中に中途半端に食材が残りがち。
そのため、こうして1つの食材を複数の料理に使用することで、かんたんに食品ロスを減らすことが可能に。
「それでもどうしても余ってしまう」という方は、次の④を試したり、消費者庁などが出している食品ロス削減レシピを参考にしてみてください。
クックパッド 消費者庁のキッチン
④食材を冷凍する
食材を冷凍することで日持ちするからです。
中途半端に余った食材を冷蔵で放置してしまうよりも、冷凍したほうが腐らせずに済みます。
私は、ブロッコリーやきのこ類を冷凍しています。冷凍保存するなら、ジップロックを使用するのがおすすめ。
⑤ストックはローリングストック法
②では、「必要分だけ買う」と書きましたが、ものによっては(特に好きなものやよく消費するもの)ストックがあったほうが安心。
かといって、消費しきれないのは防ぎたいところ。そこでおすすめなのが、ローリングストック法。
ローリングストック法
普段使用するような食材・加工品を備蓄し、その後使用した分だけ買い足すといったストック方法。
私の場合は、大好きな納豆や缶詰を最初に2つ購入して、以降は1つ消費したら1つ購入しています。
特に加工品では有効。この方法を用いることで、ストックしつつも、ロスは出にくくなりますね。
ポイントは、古いものから消費すること。新しいものから消費すると、古いものがずっと残ってしまい、食品ロスが発生する原因。
近年は、災害対策としても注目が集まっています。
日本気象協会 ローリングストックについて
家庭内で食品ロスを減らすと得られる良いこと
「食品ロスを減らしても、私たちに何もメリットないんじゃない?」と疑問を抱いてる人に朗報です。
個人単位での取り組みでも、得られる良いことはいくつもあります。代表的な3つが以下の通り。
- 食費が抑えられる
- コバエが発生しにくくなる
- 1つ1つの食材と向き合える
①食費が抑えられる
自分に不要なものを買わなくなるので、毎月の食費を抑えることが可能。
1人暮らしの私の場合は、食品ロスを意識する前と後では、後のほうが月2000円ほど抑えられています。
「環境に配慮する=出費が減る」。これはまぎれもない事実。他にも例えば、エコバックの使用や、車やタクシーを利用せずに徒歩で移動するなどが挙げられます。
②コバエが発生しにくくなる
夏でもほぼ出なくなりました(元がひどすぎ?)。
私の大学生の頃の1人暮らし時代では、食品ロスをたびたび出して、処理も後回しでした。
そのため、特に夏はコバエが多く、やっかいでしたね。食品ロスを徹底して減らしたことで、出なくなり、手間もかからなくなったので快適です。
③1つ1つの食材と向き合える
必要なものだけを買うようになるので、それぞれの食材とじっくり向き合えます。
普段は気にかけない香りやサイズ感など、様々な特徴の理解を深めるチャンスでもありますね。そうすると、もっと自炊や食事も楽しめるはず。
まとめ:手軽に個人で食品ロスを減らすことはできる!
個人で食品ロスを減らすための5つの取り組み
以上です。
食品関連に関連する企業のみならず、個人の小さな取り組みこそ、国内の食品ロス削減に寄与するはず。自分ができることから、小さく始めてみましょう!